『デウスの棄て児』嶽本野ばら 小学館

デウスの棄て児

デウスの棄て児

この本で泣ける自分ってどうなのよ?
時代物、少年が主人公、ロリータ服も出てこない小説なので嶽本野ばらっぽくはないかな〓日本人の母とポルトガル人の父から生まれた天草四郎が、次第に神に対して憎しみを抱き、そんな神を崇拝する切支丹をも恨み、島原の乱を起こそうとする。日本での仮の父によって殺された天草四郎の最後の姿に不覚にもウルッときてしまったのですよ。神に対する憎しみで生きてきた少年が死ぬ間際になってやっと手に入れた<自分を思ってくれる人達>。孤独な神に対する優越感を手にして死んでいった彼の姿が羨ましかったり、可哀想だったり。