『東京下町殺人暮色』宮部みゆき 光文社文庫

東京下町殺人暮色 (光文社文庫)

なかなか宮部作品としては地味というか、あまり知られてない作品ではないだろうか。私も文庫で見つけたときこんな作品もあったのか〜と思ったし。でも、宮部みゆきらしい作風。舞台は東京の下町。東京という派手な世界の中で、ひっそりと存在している下町が舞台なのがまず『宮部みゆきらしい』ところ。主人公は中学生の男の子で、彼が友人と二人で町内の噂を検証していくパートと、彼の父親の刑事がバラバラ死体の事件を追うパートに分かれてます。少年と刑事ってトコもまた『宮部みゆきらしい』。
それぞれのパートで分かった真実が、パズルのピースがいきなりバチッとはまるような派手さ、勢いはないけれど、じわじわと真実が見えてくる感じが良かったです。
宮部作品も残すは『堪忍箱』だけとなりました。明日あたり古本屋で見つけてこようと思います。