『堪忍箱』宮部みゆき 新潮文庫

堪忍箱 (新潮文庫)

堪忍箱 (新潮文庫)

宮部さんの時代小説。裏表紙にもあるように「人生の苦さがしみる時代小説八篇」です。どれもなかなか幸せとは言い切れない江戸の家族の話かな。一番気にいったのは『お墓の下まで』家族5人がそれぞれ誰にもいえない、お墓まで持っていこうと思っている秘密がある。それを上手い具合に紹介している短編。
これで宮部作品読みきりました!(エッセイがまだ残ってるけど)

P174『謀りごと』
人間はみんな、こんなふうに隠し事をして生きているものなのだろうか。
だから、急に死んでしまうと、そういう秘密が全部明るみに出て、まるで、生きていたことそのものが大きな謀りごとだったみたいに見えてくるのだろうか。