『花伽藍』

花伽藍 (新潮文庫)

花伽藍 (新潮文庫)

図書館になかったので文庫化するのを心待ちにしてた1冊。
『鶴』が一番「中山可穂ってこんな文章書くんだよ。」と教えるのに最適な短編じゃないかな〓相手の女性の名前、そして出会ったときに着ていた浴衣の模様から鶴の刺青を彫る主人公。久しぶりに出会って数十日もホテルで愛し続ける二人。短編ながら中山可穂の痛いくらいの熱がある作品。けど、いつもの作品と違って、女であることに後悔する、男性に嫉妬する主人公が出てきて新鮮でした。
『燦雨』は究極の愛の姿でしょうかね。人物が老女になっても、愛し合う二人の情熱は変わらない。年を重ねている分更に強い。相手の心臓が止まる時は自分の心臓も止まると思ってる辺りが凄い。まさに究極の愛だな〜