『後巷説百物語』京極夏彦 角川書店
- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2003/12
- メディア: 単行本
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私たちは今乗っている赤えいが沈んだとき、また別の赤えいの背中に「此処こそ本当の大地だ」と信じて乗ってしまうんだろうなぁ。
全体を通して、京極さんが別のシリーズでも京極堂に言わせていること『世の中に不思議なことなど一つもないのですよ』なことを押し出してますよね。ただ、『巷説百物語』『続巷説百物語』『後巷説百物語』では、妖怪という形を肯定することで幸せになれる。今現在でも、妖怪という形を取ることは少なくなったけど、他の形で夢をみてますよね。それが存在してなくても幸せならそれでイイって。江戸・明治の時代でも今も同じ。何度別の赤えいの背中に乗ったとしても、乗っている人間は変わらないようです。