『詩歌の待ち伏せ 上』北村薫 文藝春秋

詩歌の待ち伏せ〈上〉

詩歌の待ち伏せ〈上〉

北村薫が《いわば心躍る待ち伏せをしていて、否応無しにわたしを捕えた詩句》を紹介するこの本。石川啄木三好達治松尾芭蕉などの有名な方の詩句から、小学4年生の詩と幅広い内容。ただの詩に対する感想ではなく、そこから又違う詩との出会いや、北村薫の過去の回想、昔と今の違いと飽きない。
無学な私にとってほとんど知らない詩句ばかり。そんな中、気に入ったのは西城八十の「蝶」。内容は黒いですけど、読んだ瞬間その情景が私の中ではっきりと映像化されてしまいました。

北村薫は私にとって、親になってほしい人ナンバー1。甘いとは違う優しさで子供を育てているんだろうな〜という印象と、豊富な知識。まさに理想。理想の《父親》ではなく《親》という所が重要。覆面作家だった時、女性だと思われていただけあって、どこか母性も感じられるのです。だから私にとって北村薫は理想の《親》なんです。