『煙か土か食い物』

煙か土か食い物 (講談社文庫)

煙か土か食い物 (講談社文庫)

英語タイトルが『Smoke,Soil or Sacrifices』で3つ目合ってないんじゃない?って思ったんですが、私たちが食われる方なのね。なかなか素敵なタイトルです。
読んだ感想は単純に「舞城ってすごい」。スピード感があるし、文章が攻撃的とでも言えばいいのでしょうか。二郎の残虐さを語るシーンはもちろん、他の文章も読む人をガツンと殴りつけてやるぜ!みたいな勢いがあるな〜と思いました。
ミステリー的にはどうなんでしょうね。私は面白かったですけど、それ以外のところのインパクト強いし(特に奈津川家全般の話)、推理というよりは四郎のこじつけがたまたま真相になってる感じがしたので。『九十九十九』が私には訳が分からなくて、『阿修羅ガール』『山ン中の獅見朋成雄』と次第に面白さが分かってきて、この本が一番面白く好きです。『暗闇の中で子供』が早く読みたい。