『間宮兄妹』

間宮兄弟

間宮兄弟

『東京タワー』も男性が主人公でしたが、出てくる女性が江国香織の世界の住人だったのでそれほど異色だとは想いませんでした。でも、今回のこの本はかなり今までの江国作品とは違う本。劇的に変化のある話じゃなく、ある生活の中の一風景ってとこは変わらないんですけど、主人公である間宮兄弟がかなり異色。女性にもてない兄弟の二人暮らし。兄妹の印象は葛原依子に近いかも。人柄とか生活に憧れというか好意はあるけれど、付き合うとなると勘弁してほしい。作中でもあったかな。「イイ人」で終わってしまうタイプ。
もてない男の二人暮らしを程よく気持ち悪く、程よく爽やかに書いた小説だと思います。