049『てるてるあした』
- 作者: 加納朋子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2005/05
- メディア: 単行本
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この照代って子が加納朋子の作品の中でもとびっきりリアルな15歳という感じがしました。金銭感覚の乏しい両親のせいで、高校も進学できず、見知らぬ土地で近所から魔女と呼ばれるおばあさんと生活しなくてはならなくなった訳ですから、これくらいひねくれててもおかしくはないはず。それでも他人に好印象を抱けず、どうせみんな自分のことを可愛くないと思ってるんでしょ?と勝手に思っているような・・・何もそこまで卑屈に考えなくてもいんじゃないの?と思うくらいな女の子ですけど。そのせいか照代に優しく接してくれる佐々良の人たちの行動や、それに何とか気付く照代の姿が非常に浮き上がって感じられました。前作の『ささらさや』とはまた違った優しさです。