『照柿』高村薫 講談社
- 作者: 高村薫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1994/07/11
- メディア: 単行本
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女に一目ぼれしてしまった合田さんの姿が痛い…ライバルでもある自分の幼馴染・野田達夫を女から引き離すために職権乱用。女の部屋のカーテンを見て、その色と同じスカーフを贈ろうとするし、女に会いたくて泣き出す。2回目に女と会ったときの誘い文句が『お茶でも・・・』って、ヘタなナンパじゃあるまいし。最後には部屋のものを投げつけてヒステリーを起こす始末。正直その姿にショックだよ。嫌いじゃないけど。
今回はそのものずばり『男と女』ですね。20代の私がすべてを理解するのはまだ無理かも。でも、後半で悟りを開いた合田さんの考えには共感するとこがあってつらい。《人にもらった水で自分を満たす池。自分では何も人に与えないし、本当に人を慈しんだこともない。自意識の塊。》結構グサッときた。