『グラスホッパー』

グラスホッパー

グラスホッパー

私的には『チルドレン』の方が面白かった。というのが正直な感想。
妻の復讐をする為に相手の「会社」にもぐりこんだ鈴木。人を自殺させる仕事をしている鯨。殺し屋をしている蝉。3人の物語が交差して進んでいく話。こういうストーリーは好きです。これでどんな風に3人の話が絡み合うのか楽しみで。3人の中では鈴木が一番分かりやすかったというか、感情移入できるかな。一般人ってこともあるし、「押し屋」と思われる男の家で何となく吐いた嘘に引きずられて、どうしようもなくなって、サッカーしたり、昼食を頂いたり、のこのこ比与子との待ち合わせにあらわれたりするのが、現代人の代表といった感じ。鯨や蝉については殺人者ってことでいまいちその人物が理解できなかった。まぁそれが当たり前だし、狙いでもあるのか?
この本の中では、鈴木の妻の話が一番好きかも。バイキングは1対1の自分との戦い。取りすぎて食べ切れなくて青い顔してたのに、新婚旅行でも同じことをする奥さん。ストーリーの合間に出てくるこういった話が染み入る作品だな〜と思いました。