『後宮小説』
- 作者: 酒見賢一
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1989/12
- メディア: 単行本
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読み終えるまで普通に中国の歴史書を参考にした小説だと思っていました。それぐらいこまかに参考文献のようなモノを取り出して解説するところがあるのだもの。読み終わってから本の最初にある選評を読んで、作中に出てくる文献も何も架空のもの。全てフィクションということを知りました。確かに主人公の『銀河』なんて名前珍しいよね。
嘘をもっともらしく書いているところも面白い小説ですが、内容的にも自分好み。田舎町で育った少女銀河が「三食昼寝付・贅沢な暮らしができる」という理由から後宮行きを決め、同室の少女たちと後宮に入るための"勉強"をして、見事正妃の座をいとめる話。正妃になってからもいろいろある訳です。後宮での女大学での生活が一番好きなところ。今ではかなり刺激的な授業内容とかも面白いですが、銀河と同室の女性達の話もお気に入りな部分。典型的なお嬢様とかクールで無口な少女とか訳ありそうな美女とか。
中国モノってあまり読まなかったのですが、(時代背景とかいろいろ難しそうなイメージがあった)これは読みやすくて面白かったです。