『虹の家のアリス』

虹の家のアリス (文春文庫)

虹の家のアリス (文春文庫)

会社を退職して探偵事務所をかまえた叔父さんと、そこに転がり込んできた家で娘のアリサのもとに舞い込んでくる事件をえがいた短編集。『螺旋階段のアリス』の続編です。
多分一般的な探偵事務所にくるような些細な依頼。本人にとってみたら重大な事件なんだろうけど。それを面白く読ませるのが加納朋子の腕の見せ所というわけですが。
今回は「鏡の家のアリス」が面白かったかな。今まで主人公の娘は出てても、息子はそれほど出てなかったし、「なんだ。簡単な事件じゃないか」と思っていたものが実際読みすすめていくと、まんまと作者に騙されていたんだと気付く作品。こういう話が好きなので面白かった。そして、父と息子の最後の会話もなんともほんわかします。